高速で採点する方法:試験作成編に続いて、採点編です。
採点法
解答は覚える
なによりも、解答用紙と答案用紙を見比べる時間が減らせますので、解答は覚えましょう。そのためには、作成編でも書いたように、はじめから覚えやすい羅列が答えになるように問題をつくっておきます。
採点の方針を決めておく
漢字の間違いや文法のがおかしいところ、学籍番号や名前の記入がないなど、減点対象になりがちな問題は、あらかじめ何点減点するか決めて解答用紙の方にメモしておきます。また、もし部分点を与える場合は、「~まで書けていたら+2点にする」という方針を解答用紙にしっかり書いておきます。こうすることで、スキマ時間にちょこちょこ採点を進めても採点基準が揺らがないようにできます。
“めくり採点”をする
答案用紙を束ねて、大きいクリップで止めます。テスト本体が傷つかないように、テストの束の上下に一枚ずつ要らない紙を挟んでおくとクリップの型がつくのを防ぐことができます。そして、答案をめくりながら特定の大問だけを採点して大問ごとの小計をつけていきます。その大問の答えはすべて暗記しておき、採点してめくって採点してめくって・・・という流れを解答を確認しなくてもできるようにしておきます。大問が1つ終わったら、次の大問もまたまとめて採点します。これを繰り返します。
他の問題に気を取られることなく、今採点している大問にのみ集中できるので効率があがります。また、ある大問だけを集中的に進められるので、採点基準が一定に保てるのもこの方法のよいところです。
答案を全部まとめて閉じるので、特大とか超特大サイズのクリップを用意しておくと便利です。
まずバツをチェックする
めくり採点をしながら、まず間違った問題の問題番号に小さめにチェック(☓のマークでも、ハネでもOK。ハネるだけのほうが短時間で済みます)を入れていきます。それ以外の問題は、最後にまとめて丸をつけるのですが、問題番号のところではなく解答自体に大きく丸をつけます。こうすると、最後に小計をとるときに問題番号の部分だけを見て減点式で計算していけばよいのです。ハネは小さく、丸を大きくつけるのは、人間は誰でも、合っているところを高く評価されると嬉しいからです。
部分ごとの小計を出しておく
問題作成編でも書いたとおり、問題は用紙の上下・左右・裏表など部分を区切り、各部分で同じ配点にしておきます。 そして、部分ごとの小計をその部分にメモしておき、最後に総得点を計算すればスキマ時間に採点を進められます。
例えば、表だけの答案用紙の場合は、答案を上下・左右の4つの部分にして4つ大問を作ります。大問1つ25点の配点にして、大問を採点するたびに25点中何点の得点だったかをメモしていくわけです。
このように、部分ごとに(大問ごとに)小計を計算することで、スキマ時間を使って効率よく採点が進められるようになります。全問まとめて得点をつけると、答案全体を採点できるまとまった時間がないと採点が進められないので、時間が効率よく使えません。
減点法にする
得点計算のときに、
- 丸の問題を加点していって計算する加点方式
- バツの問題を100点から減点していく減点方式
のどちらで計算するか、あらかじめ方針を決めておきましょう。
おすすめは減点方式です。というのも、試験の平均点は多くの場合50点以下になることはないので、減点法の方が計算する回数が少なくミスも減らせるのです。
採点術
スキマ時間はガンガン利用する
学生が質問にきたり、電話がかかってきたり、なかなかまとまった時間はとれません。まとまった時間がないと、採点はできないと思い込んでいませんか?
でも。スキマ時間ならあるはずです。まとまった時間に採点しても集中力が落ちてくれば終わりですが、スキマ時間ならその心配はありません。短い時間に集中して、大問1問だけでも採点を終わらせるつもりで急ぎましょう。特に選択式の問題なら、1分もあれば20問は採点できます。
このとき、問題作成編で書いたように、解答用紙を左右・上下・裏表に分けてその部分ごとの小計を計算しておくと、後でまとめて総合点を計算するのが楽です。
部分点はつけない・コメントは書かない
試験作成編でも書きましたが、部分点をつけたりコメントを書いたりしていると採点に非常に時間をとりますのでやめましょう。
この記事が、少しでもみなさまの採点時間を減らす役にたてば嬉しいです。
参考にしたサイト:
応援の空:中学校定期テスト「問題作成、採点、返却」のポイント その2
editorship : テストの採点がびっくりするくらい高速化する「顔スキャン法」と、得点計算を高速化する「数列法」